2025年版：海外の街路樹に学ぶ庭づくりのヒント – 新年度は庭木のリフレッシュから

公開日 2025/03/31

普段、何気なく利用する道の街路樹に目を向けたことはありますか？

街路樹はその土地の気候や文化を反映し、都市の景観を彩る重要な要素です。ところで、世界の街路樹はどんな樹木なんでしょうか🤔？

アメリカ

アメリカでは、地域によって様々な街路樹が植えられています。

ロサンゼルスでは、ヤシの木が有名です。1932年、オリンピック開催に向けて約40,000本が植えられ、その存在感はカリフォルニアの温暖な気候と開放的な雰囲気を象徴しています。

カリフォルニア州パーム・スプリングス

同じくカリフォルニアなど温暖な地域でよく見られるのがサルスベリ。夏に長期間咲く美しい花が特徴です。

サルスベリバージニア州

イギリス

イギリスの街路樹は、自然との調和を重視したものが多く見られます。

プラタナスは、ロンドンでよく見られることから「ロンドンプラタナス」とも呼ばれています。18世紀から19世紀にかけて、パリの街路樹の流行に触発され、イギリスでも街路樹として広く植えられました。プラタナスに似たシカモア（セイヨウカジカエデ）も広く親しまれています。

ロンドンプラタナス

セイヨウトチノキも人気があり、公園、大きな庭園、村の緑地でもよく見かけます。

クイーンズ大学のセイヨウトチノキの木出典：Natural History Museum

フランス

フランスの街路樹は、歴史的な建造物や美しい街並みに調和するように選ばれています。

フランスといえば、プラタナスの街路樹が印象的ですよね。大きな葉で日陰を作ることができるため、夏の暑さを和らげる効果があります。

チュイルリー庭園のプラタナス並木

そのほかにも、美しい樹形と香り高い花をつけるセイヨウシナノキは、都市景観を向上させています。

セイヨウシナノキ

スペイン

スペインでは、地中海性気候に適した、太陽の恵みを感じさせる街路樹が多く見られます。

バレンシアやアンダルシア地方では、オレンジが街路樹として利用されています。地域の象徴的な果実であり、美観を高めるだけでなく観光資源としても活用されています。

オレンジ

地中海性気候に適応したオリーブもまた、乾燥に強く手入れが簡単な街路樹として利用されています。

オリーブ

タイ

タイの街路樹は、鮮やかな色彩が特徴的です。

ゴールデン・シャワー・ツリー（ラチャプルック）はタイの国花で、黄色い花を咲かせます。

ゴールデン・シャワー・ツリー

黄色い花が特徴の、高さ10〜20メートルになる喬木カッパー・ポッド・ツリー（イエロー・ポインシアーナ）も街路樹でよく見かけます。

カッパー・ポッド・ツリー

日本の街路樹：種類と意味

ウェザーニュースによると、東京都で最も多い街路樹は、①ハナミズキ、②イチョウ、③サクラ類、④トウカエデ、⑤ケヤキなんだそう。（※2019年データ）

ハナミズキは花が立派で花期が長く、その後赤い実をつけて長い間人々の目を楽しませます。木が強く管理が簡単なのも街路樹に選ばれている理由のようです。桜は、景観美化と地域文化を反映する目的がありますし、大きな日陰を提供するケヤキは、夏場のヒートアイランド現象を緩和します。秋には美しい黄葉を楽しめるイチョウは、防火樹としても知られています。

街路樹は、様々な役割を果たしているんですね。