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近年、「弁当=BENTO」という言葉は日本独自の食文化を超えてグローバルなキーワードとなり、ついにガーデニング界にも進出しています。
アメリカのThe Garden Media Groupが発表した「2026 Garden Trends Report “Lemonading”」では、2026年に向けた7つのガーデニングトレンドが発表されました。
そのうちの1つが、「Botanical Bento(ボタニカル・ベントウ)」です。
ボタニカル・ベントウとは、「コンパクトで美しく整列された庭づくり」を意味しています。お弁当のように一つ一つの植栽やデザイン要素が役割を持ち、全体の調和を生み出す考え方です。近年のトレンドであるカオスガーデニングやワイルドガーデニングとは正反対の性質を持ちます。
お弁当の発想で庭をデザインしてみませんか?
これから庭づくりを始めたい人や、来年に向けて庭をリセット・リフォームしたい人も多いはず。「どんなガーデンデザインが自分に合っているのか?」「どう計画を立てればいいの?」と悩む方に、ボタニカル・ベントウは新しいヒントを与えてくれるかもしれません。
日本の家庭では、お弁当箱の限られたスペースに食材を彩りやバランス、かわいさや栄養、食べる人の好みなど、色々なことを考えながら詰めていますよね。同じ発想で、庭の区画をお弁当箱に見立てて植物の種類や色合い、配置を考えると、プランニングがぐっと楽しくなります。
ボタニカル・ベントウの具体的なデザイン提案
では、どのように庭のデザインに落とし込めばよいのでしょう?ガーデニングでは、お弁当箱は単なる容器ではなく、コンセプトと考えてみるとイメージしやすいかも。
1. 植木鉢で季節を仕切るコンパクトなガーデン
大型の植木鉢やコンテナは、ボタニカル・ベントウの庭づくりに大活躍しそうです。春はチューリップやスイートピー、夏はコスモスやポピーなど季節ごとの草花やアクセント植物を分けて植えると、盛り付け感覚で四季折々の“ミニ庭園”が手軽に作れます。また、大きな庭では、植木鉢はまるでおかずカップのように空間を仕分けられます。
2. 庭全体を「お弁当箱」で区切るガーデンルームデザイン
庭のスペースが広い場合は、仕切りや小道・植え込みなどを、まるでお弁当のバランのように活用して区画を作り「キッチンガーデン」「フラワーエリア」など各コーナーにテーマを持たせてみましょう。たとえば、「家族が団らんできるスペース」「季節を感じられる花壇」「思い出を飾るメモリーガーデン」など、それぞれの区画に役割を持たせるとスッキリまとまります。
3.「体験型」ボタニカル・ベントウで暮らしを彩る
もう一つの方法は、インタラクティブな体験を提供する庭を作ることです。「ハーブティーの庭」「染料ガーデン」「切り花ガーデン」など、目的や体験に合わせて植物を選ぶのもボタニカル・ベントウならではです。必要な植物とツールを1か所にまとめてガーデン体験エリアにすると、作業も楽しさも増します。
日本人の「お弁当」文化こそ、ボタニカル・ベントウに最適!
お弁当づくりは、色彩・栄養・見た目・楽しさ・健康を考え抜く日本人の生活文化です。その発想をガーデンデザインに活かすことで、誰のために・どんな目的で・どんな体験を叶えたいかを軸に、庭づくりがぐっと身近に感じられるようになります。
コンパクト・きれい・目的に合わせて区切る・体験を詰め込む。
これらは日本の伝統的なお弁当づくりと同じ哲学です。ガーデニング初心者もベテランも、2026年は「庭=大きなお弁当箱」とイメージして、季節や目的、思い出の色々を詰めてみてみるのはいかがでしょう?きっと自分だけのボタニカル・ベントウができあがりますよ🍱
出典:Garden Media Group’s 2026 Garden Trends Report Launches(Garden Media Group)