発光する多肉植物と3万2千年前の植物…最新研究が示す持続可能な庭づくりの未来
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夜に光る多肉植物や、氷河期から蘇った花が庭にあったらどうでしょう?
そんな夢のような研究が実際に進んでいます。
今夏発表された2つの研究結果は、将来のガーデニングやサステナビリティのトレンドを大きく揺るがすかもしれません。
進化する多肉植物—暗闇に光る庭の新主役
2025年、中国の研究チームは、太陽光を蓄えて暗闇に約2時間も美しく発光する多肉植物の開発に成功しました。
これは、多肉植物に“蓄光蛍光体粒子”を注入することで、太陽光を蓄えて夜間に光る技術です。粒子の大きさや種類を調整することで赤・青・黄・緑などさまざまな色で発光させることもでき、観賞価値はもちろん、実用面でも発展が期待されています。
太古の生命—3万2千年前の植物が蘇る
一方、ロシアの科学者チームは、2007年にシベリアの永久凍土地下38mから発見された約3万2千年前の絶滅植物「シレネ・ステノフィラ」の化石から抽出した種子の発芽と開花を成功させました。
この絶滅種の復活は、生物多様性保全の象徴的ニュースだと言えます。永久凍土は、古代植物の遺伝子プールとして生態系再生のヒントを与えてくれます。
最新研究が導く持続可能な庭づくり
発光多肉植物と蘇生古代植物が、今後のガーデニングに与えるインパクトについて考察します。
1. エネルギーと資源の循環
多肉植物の実験による発光技術は、自宅のお庭をさらに彩るだけでなく、街路樹や屋内装飾などにも応用可能です。また、太陽エネルギーを蓄えて照らすことで、人工照明の使用削減=省エネや環境負荷の低減に貢献できる点も注目されます。将来的には、夜間照明の代替や、昆虫の誘引、都市緑化への応用も期待できそうですF。
2. 多様性とレジリエンス(回復力・復元力)
古代種の蘇生技術は、将来の環境変動や気候危機に対し、昔の遺伝資源を活かすという新たな方法で、生物多様性と遺伝的多様性の保全という持続可能性の本質を示しています。希少な過去の遺伝資源を守り、現代園芸や農業に活用できれば、気候変動などの危機にも強い庭が生まれます。また、生物多様性や遺伝的多様性が守られれば、庭づくりも一過性の流行にとどまらず、時空を超えた生態系の回復・強化へと進化できます。
3. 懸念される課題も
今回発表された2つの研究結果は、今後のガーデニングに新たな可能性をもたらすとともに、課題も抱えています。
たとえば、発光粒子を植物に注入することで、一時的に美しい光を楽しめますが、植物が枯れた後、その粒子はどうなるのでしょうか?土壌・生態系への負のインパクト、例えば分解性、安全性、他の生物への影響についての追跡研究はまだこれからです。植物の美しさだけでなく、廃棄や環境管理のことも考える必要があります。
また、古代の植物の蘇生は、夢のように思える一方、そもそも「絶滅」は自然界で淘汰された結果とも言えます。人間が介入してよみがえらせることは、予期せぬ生態系の混乱や、倫理的な線引きが必要な領域でもあります。自然の多様性は長い歴史の上に成立しており、人間中心に偏りすぎるのも要注意です。
これからの庭づくりに活かすために…
「持続可能な庭」は、未来へ繋ぐ美しさと、環境への責任を備えた場所です。科学が導く新植物は、私たちの価値観にも新しい選択肢と可能性を加えてくれます。
しかし、庭づくりは本来、身近な自然や人との関わりの中で、無理なく・ゆっくりと育んでいくもの。在来種を取り入れたり、落ち葉を堆肥化したりと、小さな実践から始める“じぶんらしい庭”、“地域に優しい庭”づくりが、長く愛される一歩です。
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