夜の庭で“涼活”ガーデニング ~夜咲きの花と照明NG植物の選び方~
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毎年のように言っている気がしますが……
今年の夏、暑すぎません??🥵
草木が命を謳歌するまさに“万緑”のこの季節、手塩にかけた植物に囲まれてお庭でのんびり優雅に過ごしたいのに、こうも暑いと、昼間は熱中症で命の危険すらあります。
そんな時は、「夜の庭」を楽しむ“涼活”はいかがでしょう?
涼しい夜風の中、花の香りややさしい灯りに包まれて過ごす時間は格別です。今回は、夜になると花を咲かせる植物と、庭の灯りの近くで育ててはいけない植物についてご紹介します。
夜に花を咲かせる植物
夜の庭にぴったりな、夕方から夜にかけて花を開く植物は、幻想的な雰囲気を演出してくれます。ここでは、比較的育てやすい4種類を厳選しました。
1. ヨルガオ(ムーン・フラワー/Ipomoea alba)
大きな白い花が夕方から夜にかけて開き、甘い香りを放ちます。朝には閉じてしまう一夜限りの美しさが魅力です。
ヨルガオはつる性で、フェンスやトレリスに絡ませて楽しめます。日当たりと水はけの良い場所を好みます。一年草として育てやすく、夏の夜にぴったりです。
2. 夜香木(ナイト・ブルーミング・ジャスミン/Cestrum nocturnum)
小さな白緑色の花が夜に強い香りを放ち、庭全体を包み込みます。夜の香りを楽しみたい方におすすめです。
夜香木(やこうぼく)は半日陰から日向、排水の良い土壌を好みます。温暖地なら露地植えも可能。鉢植えにして冬は屋内に取り込むと安心です。
3. メマツヨイグサ(イブニング・プリムローズ/Oenothera biennis)
メマツヨイグサは、夕方から夜にかけて咲き、やさしい香りを漂わせます。可愛らしい黄色の花が夜の庭に明るい彩りを添えてくれます。
日当たりの良い場所を好み、丈夫で初心者にも育てやすい多年草です。
4. オシロイバナ(フォー・オ・クロック/Mirabilis jalapa)
夕方4時頃になると咲き始めるので、英語では「Four o’clock」と呼ばれているオシロイバナ。夕方から夜にかけてカラフルな花を咲かせます。ピンク、白、黄色など多彩な色合いと甘い香りが特徴です。
日当たりと水はけの良い場所を好み、こぼれ種で毎年咲きます。育てやすい一年草です。
灯りの近くで育ててはいけない植物
夜の庭を彩るために灯りを設置する方も多いですが、人工的な光や熱でダメージを受けやすい植物もあります。以下の植物は、灯りの近くを避けて植えるのがベターです。
1. ギボウシ(ホスタ)
ギボウシは美しい葉を楽しむ日本原産の多年草で、日陰に強く、和風庭園でも人気です。
しかし、強い光や熱で葉焼けを起こしやすく、灯りの熱で葉が傷むことも。ナメクジ被害も増えやすいので、灯りのそばは避けましょう。
2. クチナシ(ガーデニア)
白い花と甘い香りが魅力のクチナシ。庭木や鉢植えとして親しまれていますね。
しかし、照明による光や温度変化で昼夜の区別がつきにくくなって開花リズムが乱れ、花付きが悪くなることがあります。夜間の灯りの近くは避けて植えましょう。
3. スズラン
スズランは可憐な白い花と芳香で人気の多年草で、半日陰を好みます。
夜間の光で開花サイクルが乱れたり、花数が減ることがあるため、灯りの近くは不向きです。
4. メマツヨイグサ(イブニング・プリムローズ)
夜咲きの花としても紹介したメマツヨイグサは、人工光が強い場所では開花リズムが乱れ、花がうまく咲かないことがあります。灯りのそばではなく、自然な暗さが保たれる場所で育てましょう。
まとめ
夜の庭は、昼とは違った静けさと美しさを感じられる特別な空間です。近頃の猛暑で昼間のお庭を楽しめない時は、夜の“涼活”にシフト!夜に咲く花を取り入れたり、植物に気を配った灯りの配置を工夫してみたり、「夜仕様」の庭づくりにチャレンジしてみるのもいいかもしれませんね!