殺虫剤なしで虫よけ?食虫植物で始めるナチュラルガーデニング
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夏のガーデニングで頭を悩ませるのが、虫の存在ですよね。
これまでニワナショナルでも、さまざまな害虫対策を紹介してきましたが、今回は、ちょっと変わった視点から対策を考えました。
虫を捕まえて消化してしまう、ちょっと不思議でユニークな食虫植物の世界を覗いてみませんか?
食虫植物とは?
食虫植物とは、その名の通り、虫を捕まえて栄養分を吸収する植物です。栄養分が乏しい湿地や痩せた土地、植物にとっては過酷な環境で進化し、独自の捕虫方法を身につけました。虫を食べるといっても、それだけで生きているわけではなく、太陽の光で光合成も行っています。
代表的な食虫植物
ハエトリソウ
「挟み込み式」の食虫植物。葉の内側に感覚毛があり、虫が触れるとわずか0.5秒で葉を閉じて捕まえます。捕らえた虫は消化液で約10日かけて溶かされます。
北アメリカ原産で、初心者でも育てやすくインパクトのある動きが人気です。
・直射日光を好むため、1日6時間以上は太陽の光が当たる場所に置く。
・水やりは、受け皿に1~2cmの水を張り、腰水で管理して乾燥させないように注意!
・雨水や蒸留水、RO水などミネラル分の少ない水を使い、水道水は避ける。
・用土はピートモスとパーライトや砂のミックス、またはミズゴケ単体で。
・冬は成長が止まり、葉が枯れることも。涼しい場所で水を控えめに管理。
ウツボカズラ(ネペンテス)
「落とし穴式」の代表格。ツボ型の捕虫袋を持ち、虫を蜜で誘い込み、袋の中で消化します。東南アジア原産で150種以上が存在し、見た目の妖艶さも人気です。
園芸店で手に入る種類は育てやすく、インテリアとしても映えます。
・明るい場所を好むが、直射日光は避けて半日陰で管理。
・水やりは受け皿に水を張り、湿度を高く保つこと。
・用土はミズゴケやピートモスが◎
・肥料は基本的に不要だが、与える場合は薄めの液体肥料を葉面に散布でOK。
サラセニア
「落とし穴式」の食虫植物で、北アメリカ原産。筒状の捕虫葉を持ち、内部には下向きの毛があり、落ちた虫は這い上がれない構造です。捕虫能力高め、成長も早くて、夏の暑さや冬の寒さにも強く、初心者におすすめ。
・直射日光を好む。
・水やりは受け皿に水を張り、腰水で管理。
・用土はミズゴケやピートモスが◎
・肥料は基本的に不要。
モウセンゴケ(ドロセラ)
「粘着式」の食虫植物。葉の表面に粘液を出す腺毛があり、虫がくっつくと葉が丸まって捕らえます。世界中に200種以上、日本でも尾瀬や北海道などに自生しており、見た目の美しさも魅力です。
・明るい場所を好む。
・水やりは受け皿に水を張り、湿度を保つ。
・用土はミズゴケやピートモスが◎
・肥料は基本的に不要。
ミミカキグサ
「吸い込み式」の食虫植物。水中に小さな袋状の捕虫葉を持ち、虫が入るとフタを閉じて捕らえます。ウサギゴケと寄せ植えされることも多く、水中で育つタイプもあります。アクアリウムとの相性も◎
・明るい場所を好むが、常に湿った状態を保つ。
・用土はミズゴケやピートモスが◎
育てる前に知っておきたい4つのこと
✅餌やりは必要?
自力で虫を捕まえるので、基本的に餌やりは不要です。成長を促したい場合は小さな虫を与えるのもOK。
✅“うんち”をする?
実は、食虫植物も消化吸収の過程で老廃物を排出します。ただし、動物のように明確な排泄物ではなく、消化できない部分(外骨格など)を残して捨てます。
✅虫を呼び寄せる?
食虫植物は“呼び寄せて捕まえる”のではなく、“たまたま訪れた虫を捕らえる”のが基本です。
✅粘液や液体を触っても大丈夫?
食虫植物が出す粘液や捕虫袋の中の消化液は、基本的に人体に害はありません。モウセンゴケの粘液はネバネバしますが、肌につけても問題なし。ただし、敏感肌の方や、目・口への接触は避けるようにしましょう。触った後は念のため手を洗うのが安心です!
まとめ
食虫植物は、虫対策だけでなく、観察やインテリアとしても楽しめるガーデニングの新たな魅力です。育て方のポイントさえ押さえれば、初心者でも十分に育てられます。ぜひこの夏、食虫植物の世界に挑戦してみてはいかが?
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