週2時間の自然時間がもたらす健康メリット
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健康的な生活を維持するためには、自然との接触が非常に重要であるということが、最近の研究によって明らかにされました。特に、週に最低120分間、自然環境に身を置くことが推奨されています。
WHOの推奨
世界保健機関(WHO)は長年にわたり、健康を維持するためには週に少なくとも150分の中程度の有酸素運動(例えば、歩くこと)を行うべきだと推奨しています。このガイドラインは、多くの健康専門家や研究者によって支持されており、日常的な運動が心身の健康に与える良い影響が広く認識されています。
歩数の目安は1日1万歩から1万5000歩へ
日本の医師である羽田義朗博士は、1日に1万歩歩くことで健康を保てると提唱しました。この考えは世界でも多くの人々に受け入れられ、健康維持の基準として広まりました。その後、イギリスのウォーリック大学の研究者たちは2017年3月に『The International Journal of Obesity』で発表した研究において、1日の歩数の目標を1万5000歩に引き上げました。(でも1万5000歩歩くには、約3.5時間必要とのこと…。)
自然との接触時間の新たな指針
2019年6月、『Scientific Reports』に発表された研究では、自然との接触が健康に与える影響についても注目されています。イギリスのエクセター大学医学部では、週にどれくらいの時間を自然環境で過ごすべきかを具体的に示しました。
この研究によれば、森林、ビーチ、庭園、公園など、様々な自然環境で週に最低120分間過ごすことが、心身の健康を向上させるのに効果的であると結論づけられました。また、週に200~300分以上自然の中で過ごしても、それ以上の健康上のメリットは得られないことも判明しました。
研究の方法と結果
エクセター大学の研究チームは、19,806人の被験者を対象に調査を行いました。被験者は、性別、年齢、民族、社会的地位などが異なる多様な集団から選ばれました。さらに、被験者が緑地の近くに住んでいるか、自宅に庭があるかどうかも考慮されました。
驚くべきことに、自然との接触がもたらす健康効果は、これらの要因に関係なく一貫して見られました。特に、日常の環境から離れて行うレクリエーション活動に伴う自然との接触が、より大きな効果をもたらすことがわかりました。
さらに、自然環境の生物多様性が高いほど、その効果が大きくなることも明らかになりました。
豊かな動植物が存在する環境は、多感覚に訴える経験を提供し、健康に対するポジティブな影響を強めます。
おわりに
この研究では、現代社会において自然との時間を意識的に増やすことで、心身の健康を向上させることがわかりました。
海や山に出かけるのはもちろんですが、自宅のお庭でも緑のある公園でもかまいません。日常生活に自然との接触を取り入れ、週に少なくとも2時間、自然の中でリフレッシュする時間を作ることを心がけましょう。
夏の暑い時期には熱中症のリスクが高まるため、次のポイントに注意して安全に自然を楽しみましょう。
- 早朝や夕方を選ぶ🌅
気温が比較的低い時間帯に活動することで、熱中症のリスクを減らせます。
- 日陰を利用する🌳
森林や公園の木陰を活用して、直射日光を避けるようにしましょう。
- 適切な服装👕
通気性の良い軽い服装を選び、帽子やサングラスで日差しを防ぎます。
虫除け対策も忘れずに。
- こまめな水分補給🍹
水分をこまめに摂取し脱水症状を防ぎます。
スポーツドリンクなどで塩分も補給するとさらに効果的。
- 休憩をとる🏖️
適度に休憩を取り、無理をしないように心がけましょう。